もう一人のワタシを知る|双極性障害で見える新しい自分

浮き沈みの激しい気分障害

笑顔の男性

双極性障害とは、通常の「うつ病」と違い、「躁」状態と「うつ」状態が繰り返される心の病の事をいいます。このことより、この障害は「躁うつ病」とも呼ばれます。まず「うつ」状態になると、気分が沈みがちになり、何事に対してもやる気が起きなくなります。また、自責概念が強くなり、自信も失われてしまいます。身体に出る症状としては、不眠、倦怠感、頭痛などが挙げられます。有名な「うつ病」の場合、この「うつ」状態のみが症状として現れます。一方、「躁」状態になると、「うつ」状態とは全く正反対になります。気分が興奮状態になり、何事に対してもやる気が出てきます。しかし、そのやる気が空まわりしてしまうのが大きな特徴です。具体的には、自分が偉くなったように感じる、いつもよりおしゃべりになる、色々な考えが浮かぶ、注意がそれる、活発になりじっとしていられなくなる、例えば買い物での浪費や無謀な投資など、後で困る結果を生むのが明確なのに今の楽しみを優先させてしまうなどがあります。これらの症状のうち、5つ以上が4日以上続いた場合、「躁」状態といえます。また、この状態で人間関係に悪影響があったかどうかで、「双極1型障害」と「双極2型障害」に分類されます。

双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に訪れます。そのため、躁状態で行ってしまったことをうつ状態の時に思いだし、激しい自責観念に襲われます。そのため、通常のうつ病に比べ、双極性障害の患者の方が自殺率が高いとの報告もされています。また、双極性障害の場合抗うつ剤が効きづらく、躁状態の時に服用すると、逆に躁状態が悪化してしまう恐れがあります。さらに、再発もしやすく、人間関係の悪化を招く恐れがある病です。だからこそ、専門医でしっかりと治療する必要があります。双極性障害の治療には、大きく分けて2つの治療法が利用されます。一つは薬物療法です。主に躁とうつの波を小さくする精神安定剤、躁状態の時に気持ちを落ち着かせる抗精神病薬、不眠症状がある場合に睡眠薬を利用します。抗うつ剤は躁状態を悪化させる恐れがあるため通常は利用しませんが、うつ状態がひどい場合は利用します。そしてもう一つは精神療法です。病気について医師と患者が共通理解を持つ心理教育、自分の行動の受け取り方を変える認知行動療法、対人関係療法、生活リズムを改善する社会リズム療法などが行われます。他にも電気治療なども行われます。双極性障害の治療を行う上で大切なことは生活リズムを整えること、自分の気分の波を把握することです。自分では気づきづらく、周りがおかしいと感じて初めて分かることが多い病です。もしおかしいと感じたら、早めに受診、治療を行うことが大切です。