もう一人のワタシを知る|双極性障害で見える新しい自分

二つの人格

うつ病との違い

仕事

双極性障害は、以前躁うつ病と呼ばれていた精神疾患です。気分が沈んだり、不安になったりするうつの症状に加え、異常に気分が高揚する躁の症状が見られることが、うつ病との違いです。 躁の症状が現れると、気分が良くなり過ぎてハイになったり、興奮した状態になります。人によっては、怒りっぽくなり、不機嫌になることもあります。動き回ったり、しゃべり続けて、周囲の人達を疲れさせてしまいます。症状が激しいと、他人に対して攻撃的になったり、暴力や暴言に及ぶこともあり、こうした場合は入院が必要です。 双極性障害は、躁状態の程度によって、双極1型障害と双極2型障害の2種類に分類されています。 双極1型障害では、人間関係や仕事に支障をきたすほどの躁状態とうつ状態を繰り返します。 双極2型障害では、それほど激しい躁状態はありませんが、軽躁状態があらわれます。軽躁状態とは、周囲の人から見ても、普段より明らかにハイになっている状態が、4日間以上続くことを指します。軽躁状態は本人にとっては絶好調だと勘違いしてしまうため、病気を見過ごしてしまうこともしばしばです。 このほかにも、軽躁状態と軽いうつ状態を繰り返す気分循環症や、躁状態とうつ状態が頻繁に繰り返されるラピッドサイクラーもあります。

本人の認識が必要

世界保健機関は、世界中で約6,000万人が双極性障害を罹患していると推定しています。双極性障害の原因は遺伝的要素や環境的要素、性格などが複雑に関係しているとされていますが、まだはっきりとは解明されていません。多くのケースで、うつ病が双極性障害を発病するきっかけになっています。 双極性障害はきちんと治療しなければ、さまざまなリスクがあります。単極性のうつ病より自殺率が高く、躁状態からうつ状態に移行するタイミングがもっとも危険です。約15,000人の双極性障害の患者を対象とした海外の研究では、約2割の患者が自殺によって亡くなったという結果が出ています。 双極性障害の治療は、薬物療法と心理療法が中心です。 薬物療法では、主に気分安定薬が用いられます。定期的に受診して様子を見ながら、最低2年間は服薬を継続します。 心理療法では、双極性障害は慢性的なものであり、長期的な服薬が必要だということを認識します。躁状態は調子が良い訳ではなく、うつ状態と同じく病的なものであることをしっかり認識しておかなければ、治療を継続できません。 双極性障害の治療は長期に渡ります。けれども、きちんと病気に向き合い治療を続けることで、躁とうつの波に飲み込まれず安定した生活を送ることができるのです。